あんこにまつわる話

あんこにまつわる話

あんこを使った和菓子は、全国各地のお土産ものに使われています。
あんこにまつわる神社や民話などもあり、あんこがいかに日本人に親しまれてきたかが うかがい知れますね。

■饅頭神社

奈良市内にある漢國神社は饅頭神社と呼ばれ、日本で唯一、饅頭が祀られている神社です。
中国より日本に来朝した林浄因(りん・じょういん)が、1349年にこの地で日本で初めて饅頭を作りました。林浄因が祀られているため林神社とも呼ばれます。
今も林浄因の命日である4月19日には、全国の菓子業者が神前に自家製の銘菓を献上し、一般の参拝者にも無料で饅頭がふるまわれます。

■小豆にまつわる民話

小豆洗い<ミズキしげるのゲゲゲの鬼太郎にも登場する妖怪です>
越後の国のとある神社に、体が不自由ですが数を数えるのが上手な小坊主さんがいました。
1升ますや1合ますに入っている小豆の数をぴたりとあてました。
寺の和尚さんはとても気に入って可愛がっていたのですが、やきもちを焼いた悪小坊主にその小坊主さんは池に放り込まれて死んでしまいました。
以来、近くの河原では、誰の者とも知れぬ小豆を数える声が聞こえると言ったお話です。

■日本三大饅頭とは?

  • 東京の塩瀬総本家の「志ほせ饅頭」は、日本で初めて作られたヤマイモを使った、 薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)です。
  • 岡山県の「大手まんじゅう」は、備前米で作った甘酒を使用した生地で使った薄皮饅頭です。
  • 福島県の柏屋の「薄皮饅頭」は、皮が薄くあんこがたっぷり入った饅頭で、添加物や混ぜ物が入っていません。

以上の三大饅頭の特徴は、なんといってもあんこの旨さにあるといえます。
その他にもあんこの美味しい銘菓は全国各地にあります。
例えば、伊勢の赤福、広島のもみじ饅頭、京都の生八つ橋、奈良の三笠焼、姫路の御座候、大阪の茜丸のどら焼き、赤穂の塩味饅頭、大分の温泉饅頭など、数々のあんこをメインにした銘菓はお土産として根強い人気を保っています。

■小豆のあんこに変化をつけて楽しみましょう

小豆の餡に調味料やハーブを少し加えると、あんこはまた違った楽しみ方ができます。
天然塩を加えると甘みが引き締まり、醤油を加えると香ばしさが増します。みそを加えると、コクが出てきます。
その他にも、梅肉や練りごまなどを加えると、風味が増します。
また、あんこにミントやバジル等のハーブを加えると、洋風の料理やお菓子を作る時によく合います。

小豆を使った和菓子は、季節の節目を彩る風物詩とも言えます。
一般的に小豆は、和菓子の材料としてあんこにして食べられますが、小豆は食べるだけではなく様々な活用法があります。
例えば、お手玉の中に入れたり、枕の中に入れたり、小豆カイロとして小袋に入れて電子レンジにかけて体を温める方法などがあります。
昔の人は小豆を食べて健康を保ち、小豆を使っても体や心の健康を保っていたようです。